姑獲鳥の夏

 原作の小説を3回読んだほど大好きな作品です。監督が実相寺昭雄ということもあり、この妙な小説をどのように演出するのか非常に楽しみでありました。
 感想を箇条書きで。

  • 全体的にアナログな演出が多く、最近の映画としては違和感を感じたが、雰囲気は強化されていたためプラス
  • ナナメ構図のカメラやスポットライトなど他には無い演出が面白かった
  • キャスティングはほとんどハマってた。特に榎木津=阿部寛ははまり役。薔薇十字探偵社シリーズをテレビシリーズでやってくれまいか
  • 映画の場合小説と違い字面がわかりづらいので難点。説明を要するシーンでわざわざ半紙に文字を書いていたのはわかりやすいものの興がそげる感じ
  • 殺人の動機付けがイマイチぬるい。原作を読んでいないとそのあたりスッキリしない感じだと思われる
  • 学生時代の回想シーンで衣装だけ代えた役者をそのまま使うのはツッコミ待ち?

 ということで、原作をしっかり記憶してる故のアラ探しになるかとは思ったのですが、キャスティングの妙もありだいぶ見入ってしまいました。しかしストーリーが完全にわかってしまっている故にワクワク感が沸かないってのは問題ではありますな。
評価点:7点