立喰師列伝&陽気なギャングが地球を回す

昨日見て参りました。

なんだこの朗読映画、というほどナレーションパートが多い。山寺さんご苦労様です。
とにかく見る人を選ぶ映画で、昭和史や民俗学研究文献風に蕩々と嘘を語るというコメディなんだけど、いかんせんネタがマニアックすぎるため、知ってるネタが出たらクスクス笑ってしまうけど、わからないネタは普通にスルーしてしまいがち。自分には全然おもしろさがわからなかったところでも、周囲の人がクスクス笑ってたり。おそらくその逆もあったんだと思う。
思うにこの映画を見て一番楽しめるのは監督なんじゃないかと。DVDを出すなら是非オーディオコメンタリーでどういうネタなのか解説していって欲しい。むしろその方がおもしろさが伝わるかと。
 

ファンキーな銀行強盗チームが手際よく強盗できたんだけど、逃走中にその金を別の強盗に奪われてしまい、さらにその金を取り戻すために動き出すが……といったお話。
原作を読んだ上で映画を見たわけだけど、だいぶリビルドされてますね。完全に同じところは主人公らの性格と最初の銀行強盗での動きぐらい。
一番大きい点は慎一が中学生から小学校低学年ぐらいになってること。この点が序盤でわかっただけでだいぶストーリーラインが変更されることになると気づいてしまいました。ある意味原作を忘れられるので良かったのですが。
原作ではスマートさを感じさせられる主人公たちの行動が、映画ではドラマ性重視のおおざっぱな行動に感じられました。もちろん映画として見せるわけですから、わかりにくい伏線や理詰めばかりの作戦行動は見る側を飽きさせるので、これで正解なんですが、インパクト重視で細かいところでの整合性がとれていないところ(パトカーの到着時間が早すぎるところとか、地道のチームが突然金の入ったバッグだけ奪うこと=前情報を持っているということがバレバレなこととか)が気になりましたね。
個人的には原作小説の完全な映像化を期待して見に行ったのですが、そのあたりの変更のおかげで見たいと思っていたシーンが見られなかったのが残念でなりません。中学生をリンチする不良グループのボスを響野が成敗するところとか見たかったのですが……。
それでもまあ、恋愛要素など、原作にはなかった要素も加わっていましたし、CGなんかを駆使した演出効果は見ていて楽しく、劇場に見に行った甲斐がありました。