仮面天使 全五巻  3/100

仮面天使

  • 作者:若菜将平
  • 出版社:講談社

'96から'00にかけて月刊アフタヌーン誌上に連載された漫画です。作者の若菜将平はこれ以降作品を発表しておらず、現在消息不明となっております。('01に同人誌を出版したとの話も)
ということで、100冊計画3冊目は小説ではなく漫画です。最終回の数回前からアフタヌーンを購読し始めたのですが、その数回のパンチの効いた話を読んで即、全巻購入に踏み切ったと記憶しています。
この作品は、天使の仮面をかぶった小学生達が主役のお話。作中では仮面じゃなくて「ハリボテの羽をしょっている」という表現なんですがね。
ぷりちー&せくしーと形容されているがその実は我が強く、気にくわない存在にはあらゆる手段をつかって鉄槌を下す小学4年生、七瀬加利奈と、その従兄で、頭脳明晰、容姿端麗、すべてにおいて一流の才能を見せる小学6年生、塚本浩一のふたりがメインキャラ。こいつらはとにかく憎たらしくて、自分に悪意を向ける人間に対しては一切の容赦をしない非道ぶり。頭がよい人間というのは嫌いではないですが、小学生でここまで頭が廻るような子供が身近にいたら嫌になるでしょうね。
しかしながら、こいつらが嫌な大人やダメな大人に返り討ちや復讐を成し遂げたりするのは胸がスカッと晴れて快いです。手段こそ賢しく、子供らしく無いですが、大人達の歪んだ部分や黒い部分を受け入れて流すことができず、反抗するというのはある意味子供らしいと言えましょう。今の自分では多少の嫌な目にあっても社会性を考えて我慢してしまいますからね。
これから小学校の先生になるという人には是非読んで頂きたい作品です。子供は大人達を見てこんな風に感じているのかも、ということがわかるかも知れません。少なくとも、子供が自分たちをどう見ているのかということに意識が沸いて良いかと。逆に気の弱い人には子供が怖くなるかも知れませんが。
まあ、読むにしても絶版なのでなかなか手に入らないかとは思いますが。古本屋とかならあるんでしょうか。あんまり見かけた記憶はないですが。
評価点:8点