怪獣の家 21/100

怪獣の家 1 (ビッグコミックス)

怪獣の家 1 (ビッグコミックス)

怪獣の家 2 (2) (ビッグコミックス)

怪獣の家 2 (2) (ビッグコミックス)

ひっさびさに本の紹介を。

一時期猛烈にハマっていた星里もちるの新刊が1・2巻同時発売ということで衝動買いしてしまいましたが非常によかったので衝動紹介。

星里もちるといえば遙か昔にりびんぐゲームという漫画を一気読みしてから猛烈にハマってしまった作家なのですが数年前の本気のしるしという妙にリアリティのあるアダルティなドロドロした話を読んで少し距離を置いていたのですが(いや面白いことは面白いのですが重すぎてちょっと……)久々に手に取ったこの作品は大当たりでした。

このお話は一人暮らしの男が諸事情により売りに出していた一戸建てが、怪獣映画のヒロインの家として破壊される家のモデルに選ばれたことをきっかけに、怪獣映画オタクの女とヒロイン役の女が同居するということから始まるお話。当然のように2人の女性は主人公の男にだんだん好意を抱くようになり……という星里もちるおきまりのパターンです。まあそのあたりは結構昔からのおきまりでハイハイクマクマといった感じなのですが、結構好意を抱く課程の表現が昔より味があるというかじんわり感があるというか良くなっています。

物語の焦点はそれらの恋愛話ではなく、主人公の精神面の話になってくるのですが2人の女性の主人公を救おうとする動きにジーンと来ます。そして最後にからっぽの家と回想を大ゴマで比較する最終話でさらにジーンと。星里もちるは昔の作品も面白いとは思いますが、最近では着実に演出力を付けてるようで非常に良い作品ができあがっております。今度映画化するルナハイツは実は未読なのですがこれをきっかけに読んでみようと思います。