雑誌の話

去年あたりから独立創刊の月刊漫画誌がいくつか出てきていることをご存じでしょうか。
何かの雑誌の増刊号ではなく独立した形式で創刊される雑誌はかなり少ないらしく、独自の特集を組んだ単発の雑誌なんかでも実は「本当は怖い〜〜〜○月号増刊」みたいに全く関係ない雑誌として扱われていたりするのを見たことがあります。
そんな雑誌業界の状況なのですが去年あたりから独立創刊の「月刊少年〜〜」なんて名前の雑誌をたまに見かけるようになりました。
 
昨年5月に小説も載ってる少年誌と銘打って創刊された少年シリウスを皮切りに12月に自社でコネのあるアンソロ系同人作家を集めたものの実は一番注目してたのは某社に切り捨てられたガウガウわー太の続きだった月刊comicREX、今年4月に漫画業界においては門外漢のためコネが無いのか名前を聞いたことがないような作家ばかりで目立とうと第1号は半額というフェアをやってたにもかかわらず購買意欲がわかなかった月刊ブラッドと続いてきたところに、先日27日に、メディアファクトリーよりコミックアライブが創刊されました。
 
そして来月にはリイド社から少年ファングキルタイムコミュニケーションからコミックヴァルキリー、9月に徳間書店からCOMICリュウが創刊される予定だそうですが、さすがにやりすぎです。
Comicリュウは微妙に少年漫画じゃないような気もするんですが、新創刊雑誌群のなかで一番期待しているので一応。というか執筆陣が豪華すぎるんですがさすが徳間と言うしかないのでしょうか。
 
しかしまあ、こうやって同系列の雑誌がゾクゾクと創刊されて行くのは2年ほど前の萌え系四コマ漫画雑誌の創刊ラッシュを思い出します。あのときはほとんどの雑誌が駆逐されて生き残ってるのはパイオニアであったきらら系のみなんですよね……。
 
それで、コミックアライブを買った、というお話です。
キミを元気に(アライブ)する新コミック誌と在りましたが執筆陣にエロ漫画家や同人作家が多いこともあって、ある意味元気になってしまったので雑誌のねらいとしては間違いでは無いと思いました。
雑誌全体を見た感じとしましては

  • MF文庫からのコミカライズ作品が根幹(要はMF文庫、特にアニメ化が決定しているゼロの使い間の販促)
  • エロ(商業・同人共に)出身作家が異様に多いのが気になる
  • ソフトエロ表現が多い
  • 同じ漫画ばっかり
  • 具体的に言うと学園モノ
  • 22作品あるうち学園が舞台として出てくる作品が21作品というのはどうなんだろう
  • 美味しいのもあれば不味いのもあるケーキバイキング、そのうえ飲み物も無い感じ
  • 正直全部読むのはしんどかった

といった感じでした。個々の作品レベルでみるとそこまで酷い作品は無い(と言っておく)のですがやっぱり同じ系統の作品で埋め尽くされると辛いです。その上創刊号なので全部の作品が登場人物や舞台設定のイントロダクションという構成。ないわー。
 
一応そんな中で面白かった作品ベスト5を

lowlifeイカした毒のあるイラストを描く人。電撃大王の巻末漫画で頭の悪い(良い意味で)漫画を書いてたりするんだけどこっちもバツグンに頭が悪かった。2頁目から全裸(男)が書かれてたりする。基本的に正常な思考の少女が異常な思考を持つ周囲に翻弄される漫画。楽しい。ぶっちゃけコレだけが目的でこの雑誌買った。

周囲がベタ甘な空気の中一つだけ鉄分の混じった臭いがプンプンしていて非常に安心出来た。作品自体は主人公巻き込まれ型バトルアクション漫画で、この手の少年誌ではやり尽くされた感があるものの、山本賢治だから期待。

るるるだし。

井ノ本だし。しかし下手にこの作品が面白かったりしたら井ノ本リカ子が一般紙に移籍してしまうのではないかと考えてしまうのは杞憂だろうか。エロ系描写はブルマのアップぐらいだが、全編を通してのエロい雰囲気が素晴らしい。

日日日の同名小説のコミカライズ。面白いと思えるのは原作が良いということもあるのかも。原作を読んでみたくなりました。